こんにちは!七尾なおです。
日本人は特に、かもしれませんが「まわりに迷惑をかけたくない」と考えている人が多いのではないでしょうか。わたしもそうです。
で、このトンチンカンな考えこそが、その人自身の可能性を狭めているんだと気づきました。それ、逃げるための言い訳として使ってない?と。
多かれ少なかれ、迷惑をかけて生きている
人が生きていくうえで、まわりに一切迷惑をかけずに過ごすことは不可能です。
まぁ、そんなこと言われなくても、大体の方はわかっていますよね。それは承知のうえで、さらなる迷惑をかけたくないんだよ!ということだと思います。
じゃあちょっと、誰かからかけられた迷惑を思い出してみてください。
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どうでしょうか?思い出せましたか??
いくつかはよぎるものがあるでしょう。でもわたし、思ったより少なかったです。
思い当たるものといえば、「現在進行系で」「継続的に」多大な迷惑を被ってるものくらい。じゃないでしょうか。
人の記憶なんてあてにならないもので、喉元過ぎればなんとやら。いつか誰かにかけられた迷惑なんて、大体忘れちゃうもんです。大体ですけど。
そう考えると「迷惑をかけたくない」と縮こまって生きるのが、なんだかバカらしく思えてきませんか?
「もう迷惑被ってるから」と彼は笑った
いまでもハッキリ覚えている、遠い昔の記憶です。
わたしが当時の彼氏にDVを受けていたとき、勤務先を巻き込んでの大騒動になったことがありました。
わたしは「会社に迷惑はかけたくない」と、もう自分ひとりではどうしようもない状況だとわかっていながら、なかなか相談できずにいたんです。
あわよくば、自分だけの力で解決したいと思っていました。これはわたしと彼氏の問題であって、会社は無関係、会社の人にとってもどうでもいいこと。
だから助けを求めるのはお門違い、と。
そんなわたしの気持ちを察したらしい、マネージャーが言いました。
「もう充分迷惑被ってるから。今さら遠慮とかしなくていいから」
あれは、もしかしたら単なる嫌味だったのかもしれません。普段から嫌味っぽくて、嫌われてる人だったし。
でも、少なくとも当時のわたしにとって、それは地獄に降りてきたたった一本の蜘蛛の糸のようにキラキラと光を放っていた。
わたしは一人じゃない。
わたしはここに居ていいんだ。
迷惑をかける存在でも、許されるんだ。と。
迷惑をかけたくないから、挑戦ができない
わたしはいつも自分に自信がなくて、せっかくのチャンスを棒に振ることが多い。
そう自覚しています。
「やりたい!」と思っても、いつだって言葉がスルッと出てこないのです。
そのせいで相手に「興味がないのかな?」とか「任せるのは不安だな」とか思われてしまう。
これはわたしだけでなく、「人に迷惑をかけたくない症候群」の人に共通する特徴ではないかなと思います。
なぜ自信を持てないのかといえば、それはもちろん経験が不足しているからです。
でもまず「やりたい!」と手を挙げなければ、そもそも経験を積むことはできません。
なのにどうして手が挙げられないんだろう?と考えると、それは「自分自身にそこまでの能力がないからだ」と思っているからではなく、「もしうまくいかなくて、相手に迷惑をかけてしまったらどうしよう」という気持ちからなんじゃないかな、と。
もし同じことを、仮に自分一人の手で始めようと思ったら、たぶんわたしは「やるやる!がんばります!」と張り切るはず。それくらいの好奇心は持ち合わせています。
これはつまり、自分がどれだけ勉強したところで根本的な解決にはならないということ。
どんなにベテランだって、ミスはするもの。そりゃ新人の頃よりは格段に減るだろうけど、人間である限りミスをゼロにすることは不可能でしょ。
「やります!」と手を挙げるために必要なことはただ一つ。
人に迷惑をかけない確実な方法なんて、どこにもないんだってさっさと気づくことです。
人に迷惑をかけたくないから挑戦しないなんて、ただ逃げ道を用意しているだけなんだって、気づくべきなんだ。
「人に迷惑をかけるな」という教育の弊害
こう言って育てられてきた人、多いんじゃないかな。
わたしもそうです。
人に迷惑をかけない、大人の言うことに口ごたえをしない、言われたことをきちんとする、いい子であれと育てられました。
その通りに育ったわたしを、大人たちはみんな褒めてくれました。
その結果がこれ。なんだかなー!
もちろん、積極的に人様に迷惑をふっかけて回れ!ということじゃないですけど、なんかもう少し、違った育て方があってもいいんじゃないかなって思っちゃうよね。
おわりに:「かけたくない」と恐れている迷惑なんて、たぶん大したことない
普通に、真面目に、がんばって生きていれば、そうそう取り返しのつかない迷惑なんてないんじゃないでしょうか。
少なくとも、これまで慎重に慎重を重ねてチャンスを棒に振りまくってきた人が、いきなりレベルマックスの迷惑を誰かにかけるってことは、ちょっと考えにくい。
だから安心して、手を挙げてみたらいいんじゃないかな。
わたしもときどき、あの嫌味なマネージャーの顔を思い出して自分を奮い立たせています。