『蝶の毒 華の鎖~大正艶恋異聞~』感想|これはもはや昼ドラ。だがそれが良い

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『蝶の毒 華の鎖~大正艶恋異聞~』のSwitch版をプレイしました。無事コンプしたので、忘れないうちにいつものごとく感想を残しておきます。

結論からまず言っちゃうと、すごく良かった~~~~~~~~!です。それも、わたしの場合は後からじわじわ来ましたね。今ではすっかり沼にどぼん。まんまとしてやられました、はい。

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蝶の毒 華の鎖~大正艶恋異聞~とは

『蝶の毒 華の鎖』(蝶毒)はもともとアロマリエ原作の18禁PCゲームで、2011年に発売されました。その後、PSP・PS Vita・Switchへと移植されてきた人気タイトルです。

元はアダルトゲームですが、コンシューマーゲーム機に移植するにあたってCEROレーティング:D……つまり「17歳以上対象」に引き下げられています。要は本番シーンがカットされているんですね。その分、ちょっと乙女ゲームっぽいシナリオやスチルが追加されたようです。

蝶の毒 華の鎖の概要、世界観

【物語】

時は大正7年。
戦争の特需で財を成す人々がいる一方で、国家からの恩恵だけを頼りに暮し、
時代の波に乗り遅れた華族達の生活はいよいよ困窮し始めていた――

自分の誕生日を祝う夜会の最中だというのに、野宮百合子はひとり自室に籠もっていた。
公家華族である野宮家の財政は困窮を極めているにも関わらず、
状況に相応しくない豪華な宴になっていたからだ。
父・野宮康之の真意を測りかねる百合子。
だが、幼なじみの尾崎秀雄から、その夜会の狙いを聞いて合点がいく。
それは百合子の結婚相手を決め、彼女の幸せ……ひいては家の将来を担保するためのものだったのだ。
戸惑いながらも、両親のためを思い夜会の会場に向かう百合子。
だがその時、反政府の暴漢達が乱入し、夜会は阿鼻叫喚に包まれる。

そして、警官隊の到着により事態が収拾した後、さらなる悲劇が野宮家を襲う。
その騒動の中で、康之が何者かに殺害されてしまったのだ。
あまりの出来事に怒りも悲しみも忘れて、呆然とたたずむ百合子。
だが彼女は、ただ一つの事だけは理解していた。
これが、転落の始まりだと言うことを――

公式サイトから引用

時は大正時代。わたしの大好きな大正時代ものです。古きものとハイカラなものとが混じり合う独特の雰囲気が好きなんですが、蝶毒ではこの時代の仄暗い部分にとくにスポットが当てられています。

没落華族、ですね。ヒロインである百合子は、かつての栄光にしがみついたまま働きにも出ず、生活レベルを落とすこともできず、ただただ現実に目を背けながら徐々に落ちぶれていく華族令嬢です。

もっとも、百合子自身はそんな生活に疑問を感じているわけですが、「姫様」という立場上自由にあれこれと出来るわけでもありません。

傍目にはきらびやかに見えるけれど、その実……という、その時代ならではの特徴をよく生かした作成だと思います。

蝶の毒 華の鎖の登場人物

超毒の主要な登場人物を紹介します。一癖も二癖もあるキャラクターばかりですが、個性豊かすぎて最終的にはみんな好きになりました。

野宮百合子(のみや・ゆりこ)

聡明な少女。
華族令嬢だが家に危機感を持ち、もっと世の中のことを知らなければと思っている。
好奇心旺盛ではっきりとした性格。

斯波純一(しば・じゅんいち)CV:茶介

成り上がりで大金持ちの貿易商。28歳。
なぜかヒロインを気に入っており財力を盾に強引に結婚しようとする。
性格は俺様で強引。型破りな性格。

野宮瑞人(のみや・みずひと)CV:平井達矢

ヒロインの兄。22 歳。
子爵家長男で華道の家元だが、かなり浮世離れしており厭世的。
絵画を好み女遊びも盛んという道楽者だが、妹のことは花のように愛でている。

真島芳樹(まじま・よしき)CV:大石恵三

野宮家使用人。25歳。
いわゆる下働きの下男だが、百合子の初恋の相手でもある。
温和な性格で、植物を愛する大人しい青年。

藤田均(ふじた・ひとし)CV:チアノーゼ三太夫

野宮家執事。37歳。
イギリス人の血が入っている。
ヒロインが幼い頃から野宮家に仕えて来た。
性格は実直だが、無表情であまり感情を露にしない。

尾崎秀雄(おざき・ひでお)CV:須賀紀哉

男爵家長男の陸軍少尉。24歳。
ヒロインの幼なじみだが、態度はとても冷たい。
真面目で固い性格。潔癖性。
軍人としてはとても優秀。

天海鏡子(あまみ・きょうこ)CV:猫魅愛

富裕な酒問屋の一人娘。
大人しい婿養子を迎え、息子をもうけた後は好き放題遊んでいる道楽者。

 

攻略の順番は?

秀雄→ノーマル→瑞人→藤田→斯波→真島

の順でした!

真島は攻略制限がかかっているため自動的にラストになりますが、あとはわりとフィーリングで決めました。

最近、プレイ序盤は攻略サイトを見ずにまったり進めるやり方に凝っているので、意図せずノーマル(というか真相ルート)がだいぶ始めの方に開いてしまいましたね……。

でもまあ、真相がわかっている状態で他キャラルートを見ると「ああ、このセリフはこういうことだったのね」的な気づきを得られるので、そんなに悪くもなかったかな、と思っています。

蝶毒はぱっと見で推しが決まらなかったので、秀雄を最初に持ってきたのは本当になんとなく。通常、最初にプレイするのは「まあまあ好きかな?」なタイプと決めているので、ツンデレっぽい秀雄に決めました。

わたしはSwitch版が初なので、「もともと18禁だ」という情報以外ほとんど知らない状態でスタートしたんですね。やってみると結構アレなエンドも多くてびっくりしたんですが、そういう意味では秀雄を一番に持ってきたのは正解だった気もします。

初心者に一番優しい、というか取っつきやすいルートになっているんじゃないかな。たぶんこの中では一番普通の人だし、秀雄がね。

蝶の毒 華の鎖~大正艶恋異聞~ 全体の感想(ネタバレなし)

まずはじめに感じたのが、なんというト書きの美しさ! これです。

まるで小説を読んでいるかのような美しく生々しい描写に、ぐっと心を持っていかれる気がしました。わたしも物書きの端くれですから、いいなあ、こんな文章をわたしも紡ぎたいなあと惚れ惚れしましたね。

例えば、ただ「キスされた」という行動ひとつ取ってみても、肌のうぶ毛を感じるとか小鼻が触れるとか伸びかけのヒゲがざらりとしたとか、ものすごく生々しいんですよ。ありありとその状況が目に浮かぶ、というかね。

その一方、健全な乙女ゲームを多くプレイしてきたわたしにとって、ヒゲがどうこうなんて描写は驚きでしかなかったです。しかも伸びかけのヒゲですよ、朝剃ったけど夕方にはちょっと生えてきちゃう、あのヒゲ。普通の乙女ゲームでそんな描写ありえないでしょ。

さすが、原作アダルトゲームはひと味もふた味も違うな、と思い知らされました。てゆーかこれ、乙女ゲームって括りでは語れないけどね、最初から。

淡い恋心とか、ワイワイ明るい雰囲気とか、そういうのを求めている人には向かないと思います。(そういうのを求めて蝶毒買う人はいないんじゃないかとは思うけど)

でもそうじゃなくて、もっと人間のドロドロ醜い部分とか、それでも一縷の望みを捨てられない弱さや愛おしさとか、強く見えた人間がはらむ脆さみたいな二面性とか、そういうのを感じたい人にはすごくおもしろい作品です。

わたしはすごくおもしろかった!

正直、最初は「ちょっと期待外れかな?」と思いました。人気作品ということで期待値が上がりすぎていた分、「そうでもないか……?」と感じたんです。

でもなんというか、やればやるほどキャラクターにのめり込んでしまって。どいつもこいつも、いい味出してるんだよなあ……。スルメのように噛み締めていたら、クセになっちゃって手放せなくなっちゃいました。蝶毒、恐ろしい子。

エンディングは各キャラごとにグッドが1本、バッドが2本です。蝶毒はバッドエンドこそが真骨頂だと言われている通り、印象に残るバッドエンドがすごく多かったですね~。

悲恋だったり胸糞だったりして、中には「Switchでこれ、ありなの?」と思うほどのものもありましたが、それ含めて蝶毒の魅力と言えるのでしょう、間違いなく。

総括してわたしは好きでしたが、人を選ぶ作品だとは思います。普通の乙女ゲームだと思ってやり始めると、絶句しちゃうかもしれません。

個別の感想(ネタバレあり)

ここからは、各キャラごとの感想を自由に書いていきます。ネタバレを含みますので、未プレイの方はお気をつけください。

秀雄の感想

ツンデレ系幼なじみの秀雄は、上でも少し述べた通り、本作の攻略対象の中ではもっとも普通の人間だと思います。バッドエンド含め、もっとも安心して見られるルートでした。

というか、わたしは秀雄からやり始めたので、どのバッドもルートもこれくらいの温度感で進むと思っていたんだけど……とんでもねえ勘違いだったぜ。

秀雄は子どもの頃から百合子のことが好きだったんですよね。普通にいけばそのまま結婚となっていたはずが、ちょっとした運命のいたずらですれ違ってしまう。そんなこんなしている間に、秀雄には良家の婚約者・佐和子が現れてしまい、2人の仲はどんどんこじれていくと。

佐和子も決して嫌な子じゃなくて、ピュアに秀雄を想っていて、でも百合子がきちんと誠意をもって接すれば身を引いてくれるいい子でしたね。

秀雄とは動物園デートとか、佐和子とのちょっとした修羅場とか、純な2人だからこそのかわいいエピソードが散りばめられていて、良く言えばほっこり、悪く言えば物足りなさを感じたのも事実です。

が、ほっこりからの~タガが外れた秀雄はとにかく愛おしかった!

潔癖症の秀雄は、これまで女性を知らずに生きてきました。大好きな百合子との交わりが初めてだったんですね。帯の外し方に戸惑う秀雄がかわいい。いざというときに思いが溢れて百合子にがっついちゃう秀雄もかわいい。眼鏡を外すと百合子の姿が見えなくなっちゃうから外したくないと駄々をこねる秀雄、この上なくチャーミング。

……と、一気に秀雄大好きになりました。

秀雄のエンディングはバッドもすごく好きでしたね。「うそつき」では、佐和子が秀雄との結婚をあきらめてくれなくて、仕方なく秀雄は佐和子と結婚し、百合子は斯波と結婚します。

で、2人は不倫関係のまま関係を続けていくわけですが、そんな関係に秀雄は心を病み、壊れていきます。斯波に抱かれ斯波の子を身籠った百合子を憎み、罵倒し、それでも最後には百合子に「捨てないでくれ」と哀願する秀雄。もう最っ高。

秀雄のエンディングではこれが一番好きかもしれない。

一方、「白」は完全なる悲恋。シベリアへ渡った秀雄は、そのまま日本の地へ戻ること叶わず戦死してしまいます。その報せを聞いて雪の中へ飛び出していった百合子のもとへ現れる秀雄……これ泣きましたね、泣きました。

ラストは「もう離さない」と抱き合うスチルと、雪がすべてを覆い尽くした的な文言で〆なんですが……これってやっぱり、死んだ秀雄が百合子を連れて行ってしまったのかなあ。悲しくとても美しいバッドエンドでした。

秀雄のバッドがこの2つだったものだからね、すっかり油断していたんですよわたし。「蝶毒はバッドがほんと秀逸!」ってただただ感動していました。いや、たしかにそれは間違っていないんだけど……秀雄バッドと同じ感じで進めたら、次のお兄様ルートでは開いた口が塞がらなくなっちまったよねw

瑞人の感想

兄様はマジで兄様。ほんとダメな兄様です。他ルートではすぐ死ぬし、自ルートでも死にがちだし。

この人ほど「厭世的」という言葉の似合う人はいないんじゃないかと思うくらい。

正直なところ、兄様は5人の中で一番ピンとこなかったかな。そもそも「家族」での恋愛に対してはうーん……となってしまうたちなので。

瑞人と百合子は、実際のところは血の繋がりはまったくなかったので、DNA上はなんら問題ないんですが、そうは言っても子どもの頃から一緒に過ごしてきたんでしょ? そんな相手に惚れた腫れたの感情を抱くか?? って思ってしまうのだよね。

いっそのこと、血は繋がっていてもそれと知らなかったバージョンの方がよほど受け入れられる。

まあそれはそれとして、兄様のグッドエンドではパリへ移住しており、レアな洋装姿が拝めます。絵で大成したわけですね、いやー良かった。色恋抜きにして、あの兄様が真っ当に生きられる道を見出してくれたことが何よりうれしいエンドでした。

それに比べてバッドエンドのバッドさよ……! とんでもねーぞこれは!

まずは蔵に2人で籠もって淫らな日々を過ごしていたら、ある日外から鍵をかけられ、敷地内に火を放たれ蒸し焼きコース。

これはアレでしょ、真島の怒りに触れたね、完全に。兄妹だなんて、真島にとってキングオブ地雷でしかないもん。そりゃやられるよ。

「こりゃ死ぬな」ってなったときの兄様の切り替えの速さよ。いたす。とにかくいたす。命尽きるまで。秀雄バッドの後にこれを見たわたし、あんぐり開いた口がしばらく塞がりませんでした……w

あと衝撃だったのが共犯者エンドですよ。アッー! 秀雄!

完全にとばっちり食らってんじゃん、秀雄!!

これはもはや秀雄のバッドエンドだと感想を書いてる人がいたけれど、まさにだよww 哀れ、秀雄。成仏してくれ……。

藤田の感想

藤田……! 何を隠そう、一番好きになった気がする藤田!

もともと年上が好きなんですね、それに加えて姫様&使用人という身分違いの恋! んーーたまらんっ!

わたし的・藤田ルートの楽しみポイントは、藤田がいかにして使用人という鉄仮面を脱ぎ捨て、百合子姫様に溺れていくのかでした。

たしかにこの点は非常に萌えました。はじめは姫様の好意を受け取らなかった藤田が、百合子からの告白に心を揺さぶられ、勢い余ってキスをしてしまうシーンでは「えー、ここで!?」とちょっと驚いたものですがそれでも十分にときめきました。

1度キスしてからも「やっぱりダメです」と再び距離を取ろうとする姿も非常に良かった。しかしなんだか、徐々に雲行きが妖しくなっていきます。

藤田ルートの百合子はどうも攻撃的です。どうしたの百合子? そんなひどいことを言う子じゃなかったでしょ? と、わたしの頭ははてなマークでいっぱいになってきます。

それに加えて藤田のねっとりとした「私は女々しい男です」宣言。ええっ、いやちょっと待って待って。まだわたし、その流れについていけてないんだけど?

とか混乱している間に、あれよあれよと話は進んでいきます。そうです、藤田はドM的要素を持った男性であり、追い詰められることでかえって興奮し、思わぬ行動に出るのでした。つまり変態ーーーーーー!

ぬおおおおおお、これにはわたしも結構な衝撃を受けました。たしかにギャップ、わたしの大好物のギャップです。しかし、これは、これは……なんか違う気が!!

いやでも待って。そもそもこのゲームはこういうゲームでした。Switch版になってまろやかになりわかりにくくなっていますが、もとは各キャラの性癖を楽しむ作品なのだそうですから。(知らんかったけども)

とはいえ本番シーンは全カットされているため、各キャラの性癖はだいぶぼやかされており、実は今もよくわかっていません。しかし藤田だけは確実に判明している。Switch版になってもなお色濃く残るその性癖……恐るべし藤田。

いや、それでもわたしはやっぱり藤田が好きなんです。たとえ性格に難があったとしても!

でもでも、そんなわたしでも藤田のバッドエンドは受け入れられませんでした。とくに犬エンド……使用人とは結婚できないということで、百合子は斯波と結婚することを決意。でも藤田のことは、使用人(という名のほぼ男娼)として連れていきました。

そこでの生活で、藤田はすっかり百合子の犬に成り下がり、ひと目をはばからず百合子の足元に縋り付く始末。そして四つん這いになって、百合子が投げる金平糖を口でキャッチする遊びに興じるというラストなんですが……これは、これはさすがにダメでした。

藤田が好きだからこそ、それはやめてくれ!!! と声を大にして言いたかった。ぐう。

藤田ルートはやっぱりグッドが一番良かったです。結婚後も百合子を「姫様」と呼び、家事はすべて担ってくれる優しくも頼りになる藤田。絶対的包容力で包み込んでくれる安心感。愛。

藤田大好き、2人で幸せに暮してくれ。

斯波の感想

はじめはそんなに好きじゃなかったけど、ちょっとプレイしたらあっさり落ちました。斯波さん大好きーーーー!

登場時こそ胡散臭いヤツだったけれど、実は彼は子どもの頃に一度だけ百合子と会っていたんですね。ボロボロだった斯波さんに真っ白なハンカチをくれた百合子は、斯波少年にとって天使に見えたことでしょう。

その天使にもう一度会うことを夢見て、ずっとずっと頑張ってきたっていうんだから……とんでもねえいい話だよ、斯波さんッ……!!!

普段は不遜な態度を取っているくせに、ちょっと百合子に拒絶されるとショックを受けちゃうところがめちゃめちゃかわいくてキュンとしちゃった。

酔ってタガが外れて思わずキスするシーンも、すごく余裕なさげな感じがして、本気で好きなんだなってのが伝わってきて良かった。斯波さんルートは心を打たれるシーンが多かったです。

にしても言葉足らずにも程があるよね? もっと言葉で伝える努力をせーよ! と言いたい。そうしたらもっとうまく事が運んだはずなのに、変な意地張るからでしょ、バカ!

斯波さんは本当に心の広い人で、いい男です。たまに子どもっぽいけど、それはそれでかわいい気がするし。

自分が孤児だったから、孤児院の運営に携わって子どもたちに慕われる姿とか、苦しむ子どもを減らすために学校をつくろうとしたりとか、そりゃモテるはずだよ。なのに百合子に一途なところがまた素敵。

バッドエンドは、地下牢に監禁と斯波さんが百合子に殺されるやつですね。後者はほんと悲しくて、これもまたガチで泣いた……。

野宮家に次々に襲い掛かってきた不幸が斯波のせいだと勘違いした百合子は、斯波に復讐するためにわざと結婚し、酒に少しずつ毒を仕込みます。それは少しずつ斯波の体を蝕み、気づいたときには斯波の体はもう助からない状態に。

それでも斯波は最後まで笑顔で、百合子の手を握って、「ありがとう」「幸せだった」と囁いて逝きます。

斯波が亡くなった後に百合子は斯波の日記を見つけ、そこには一連の不幸が斯波のせいではなかったこと、百合子が自分を殺そうとしていることに気づいていながら、それでも結婚できて幸せだと思っていたことを知り、後悔の涙を流す……という、とんでもねー悲しいエンドですわ!!!

死にゆく斯波さんのスチルがまたね、涙を誘うんですわ……。あんだけ生命力に溢れていた人のやつれた顔なんて見たくないもん……ああ、切ない。

真島の感想

Amazonのレビューとか見ても、絶対的な真島ファンの多さ。たしかに、蝶毒はそもそも真島のための話であり、真島ありきの話であり、そういう意味で「真島ゲー」と言われるのも理解できます。

ヒーローという言い方はアレな気がするけど、メインヒーローなんだろうと思うし。

ただ、他のキャラと比べてさらにシナリオが削られているんだよね、真島って。せっかく攻略制限されて、物語の鍵となる人物なのに、さらに短いの! これにはちょっと不完全燃焼というか、そういうのが残りました。

PC版をプレイした人の感想によると、真島の真髄はPC版で見られるということなんだよね。瑞人兄様と違って真島は正真正銘、血を分けた兄なので、そういう意味でいろいろ大人の事情があるんじゃないか、と書いている人もいました。なるほどな……

真島のエンドは、どれもすっきりと終わらないんですな。一応グッドエンドなるものは存在していて、それでは百合子の父も母も死なないです。

夜会の日、百合子から告白されたことで真島の心が揺れて、復讐を思い留まったっていうんだから、真島がすごく愛おしいエピソードではあるんだが。

そういう意味ではグッドだけど、このルートでは百合子は何も知らないで真島だけがすべてを背負って生きていくことになる。真島は本当の名前も、過去も、百合子には何一つ伝えないで生きていく。

実の兄妹で愛し合うという己があんなにも憎んできた業を、自らが受け継いてしまったことへの罪悪感とか、憎らしさとか、そういうのもきっとグルグルあるんだろうなあ……。とか思うと、手放しでは喜べないよね。

バッドエンドではもちろん幸せになんてなりっこない。うーん、この2人がもっと幸せになる道はないのかな? と、そう思えてならないのでした……。

おわりに

というわけで、全体的にちょっとボリュームが少なめだったのが残念だったけど、全体的にはすごく良かったです!

でもほんと万人受けする内容ではないと思うし、エンディングもものによってはすごく精神的にやられます。でもそれがいい! と思える人ならきっと楽しめるはず。

多くの人が言うように、これやるとPC版も気になっちゃうんだよね~~~。そういうシーンが削られたことで、本来あったはずのやり取りとかキャラを形作るものとかが落とされちゃってるのは確かだし。悩むな……。

もう少しこの世界観に浸っていたい、そう思わせてくれる魅力があるゲームだと思います。